脳とおたく心のノートとなるトコロ

しらこ(Tw:triad_prms)の雑記。アイマスの話が多くなりそう

速水奏 2020~2021 ①

2020年の年明け以降の速水奏の出番を振り返る。

勢いで奏の出番を振り返ったのでまとめる。 
網羅的に…というよりは自分がいいと思ったものと書くべきだと思ったもの。

総選挙期間中に完全に無産オタクなのはしんどい😭とも思っていたので、滑り込みではあるがいまぱっとできることをやってみた。

最初の投稿は速水奏SSRとそれに関連するお話。

※省略するもの
① 公式のラジオに関する話題
→飯田氏がマンスリーパーソナリティを務めたMORなどもあったが、全て省略。
モバマスのイベントでの出番
→高峯のあとの新ユニットがあったりしたが、モバは遊んでいない時間の方が圧倒的に多く、たぶん取りこぼすので最初から触れない。
③グッズ系
[ミスティック・ドーン]のフィギュア以外は全てスルー。興味のない場合がほとんどなのでそもそもアンテナを立てていない。

 

 

1 終わらない夜を、もう一度

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エンドレスナイト]がSRとしてモバゲー版に輸入された。
速水奏最初の(そして唯一の恒常)SSRである同カードは、特訓前は映画デートの帰り道、特訓後はステージ上の姿が描かれている。

このカードについて語る際には、まず当時のモバマスの状況に触れておく必要があるだろう。
エンドレスナイト]実装の10日ほど前、モバマスの運営規模縮小が発表された。新カード数自体は19年中から減少傾向にあったものの、それがはっきりと言葉にされた形になる。多くのユーザーが悲しみ・不安・寂しさなどに沈む中で、速水奏のリミテッドガチャは、規模縮小後初めてのガチャとして開催された。そして、そのガチャの仕様は、モバユーザーにはっきりと運営縮小を実感させるものだった。具体的には、目玉が限定SRから輸入SR(恒常)に、新規R枠が廃止、目玉SRの劇場追加が廃止された。リミテといえば溜まったジュエルを吐き出して資産を作る定番の場であり、ユーザーにとってはかなりオイシイ機会だったのだが、そこが骨抜きにされ、さらにテキスト・イラストの供給量も物足りないものとなってしまったのだ。主語は大きいが、リミテッドガチャが更新され、詳細を見たほとんどのモバユーザーはやり場のないもやもやを感じただろうし、その印象が縮小後のトップバッターであった速水奏と結びついてしまうのも避けられない面もあっただろう。[エンド・オブ・ザ・ブルー]でデレステのゲーム性を破壊して作業ゲーに落とした前科(?)があったのもあまり心象として良くない。ただ、これらの背景とカードそのものについては分けて考えるべきだ。

さて、(前置きが長くなってしまったが、)輸入版[エンドレスナイト]の最大の特徴は、何よりも、「時間の積み重ねを感じさせること」といえる。特訓前のシチュエーションが映画デートの帰り道であることは先述の通りだが、SSR版とSR版では(おそらく)“初めてか否か”という違いがある。具体的に特訓前のテキストを比較してみる。

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後半部分についてはどちらも同じことを言っているが、ポイントはSR版の最初の文。どうやらSR版では速水奏とPは映画デートを何度か重ねた後のようだ。それに対し、SSR版では、恋愛映画を映画館で一緒に観たのは初めてで、しかも奏から誘ってくれたらしい。「(気恥ずかしいから)恋愛映画は苦手」と言いながらも、初めてのSR[蒼翼の乙女]では「Pとなら恋愛映画も悪くない」と好意・信頼が向きだしたことを示してきた奏は、SSR版[エンドレスナイト]ではついに自らPを恋愛映画に誘った。これはおそらく恋愛モノに限らない初めての映画デートで、からかい上手で強固な外面を構築してきた奏が、それが崩れうる場にーおそらくは観賞後に二人の関係性が変化しうることを承知の上でーPが踏み込むことを許したのだ。また、ホーム画面・ルームでは、「半券は手帳に挟んでとっておくの」「学校指定のコートなの」と、初めての映画デート・初めての冬でないと発されないようなセリフが散見される。メタ的にみれば、こういった説明口調的セリフが混じるのはごく自然なことではあるのだが、[エンドレスナイト]で描かれた映画デートは、速水奏がささやかな秘密を教えようと思ってくれるに足る、(最初のSSRならではの)特別感溢れるシチュエーションだったのだと考えると、こういったセリフが出てくるのもしっくりくる。

そして、こういった背景があるからこそ、SR版での改変により、私たちは(閉じた時空の中でも)速水奏との時間の蓄積を感じられる。相変わらず鑑賞後の感情の昂りを口実に誘ってくる速水奏からは、それに応じないことを前提としたPへの信頼も見えるし、何度もPと映画館での逢瀬を重ね、その都度感想を語り合うと共に人生観や哲学の共有もなされていたと予想され、それに伴いPとの絆はより深まっているだろう。
同名のカードが(意図されたものか偶然かは不明だが、)同じ1月9日に実装されたことにより、LiPPSすら無かったこの時から4年かけこの年の総選挙ではついに一桁を目前に…と速水奏の歩みと成長を振り返ることができる。もちろん、こういった時間経過によるエモーショナルな部分だけでなく、ボイスの洗練やホテムンが強く意識されたテキストの再出力なども魅力的で、多くのモバユーザーにショックと共に迎えられたこのカードは、奏Pにとっては良質な出番だったといえるだろう。

さらに小ネタとして、ぷち衣装として実装された黒いスマホについての感想。これは言わずもがな[ミッドナイトレイヴ]でPを呼び出すのに使っていた速水奏スマホであるが、[チアリングスター]では速水奏の携帯電話は紫っぽいガラケーだった。今となっては最初の携帯電話からスマホな中高生がほとんどだが、当時(2015)はまだ過渡期だった。要は、速水奏はアイドルになってからスマホに買い替えているわけだが、その際に黒いスマホを選んだことから、アイドルとしてのミステリアスなイメージが確立されつつある中で周りの目に入る頻度の高いアイテムをピンク系にするのは抵抗があったのだろうという妄想ができるという話([ミッドナイトレイヴ]時点では光の関係で黒く見えたカバーは結局紫色だったと『君ステ』での自撮りシーンから判明したが)。
アイドルとしての成長ではない、一人の女の子からアイドルという偶像へ変遷していくという速水奏のもう一つの軸を考えると、このスマホもまた速水奏の時間の積み重ねを感じられる小道具であり、[エンドレスナイト]に付属することで、“アイドル速水奏らしさ”をより感じることができる。あと、これは本当にくだらないし本筋とは全く関係ないが、[ミッドナイトレイヴ]での呼び出しは、携帯を買い替えてテンションの上がった奏の微笑ましいイタズラだと見ることもできると思っている。

 

2 曙光に輝く夜の化身

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速水奏史上最高のイラストとも称される[ミスティック・ドーン]がアルタークオリティで立体化。2020年6月4日から予約開始。フレグランスオブナイト、エンドレスナイトに続く三体目のフィギュアとなる。
3Dモデルで目立っていた左半身の立体感やボディの大胆な露出も忠実に表現された、24cmの女神像。派手な装飾やエフェクトこそないが、アシンメトリーの衣装と緩やかなねじれを描くポーズにより、月のように、海のように、見るたびにその姿を変える。

…という感じ。定価は18000円程度だが、ネット上にある新品は軒並み転売価格となっている。次に速水奏が立体化されるとしたら、[朱夏の果実]特訓後かいずれかのSSR特訓後だと予想しているが、どれが来ても初動で抑えないと後から手に入れるのは少し大変になるということは留意しておいた方がいいだろう。

 

3 楽園の夜を統べる

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[インビテーション・ダイブ]の映り込み以来のアニバ期での登場。
“着こなしは、ヴァルキュリアに教わってきた”、5枚目となるSSR[セレブレイト・カレイド]。髪型のアレンジ、久々の白系衣装が目を引き、『Go Just Go!』という太陽に劣らない凛々しい輝きで5thアニバーサリーを彩った。
性能面でも、美波や飛鳥をアンサンブルで支援しながらセンターで活躍する、CoDa編成のAdmiralと呼べる一枚。

特訓前については次の投稿で言及するのでスルーするが、コミュを見ると、デュオユニットを組んだ二人への憧れ・リスペクト・ライバル意識と、[夜を脱いで、一小節]で得た精神的余裕が融合し、雑にいえば、今までよりさらに“強く”なった雰囲気。

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この“強さ”は、イラスト面にもあらわれている。秩序や力の象徴としてわかりやすい軍服の意匠がみられる衣装に加え、さらに注目したいのは手と口だ。

[セレブレイト・カレイド]の速水奏は、これまでのSSRで必ず髪や口まわりを触っていた手を、頭から離した。また、これまでの微笑みやアンニュイな表情とは一変、大きく口を開いた笑顔のような表情をしている。これらの特徴は単なる構図被りの回避ではなく、意図されたものとみてよいだろう。

まず手元について。唇や髪を触ってしまう心理について調べてみると、有象無象のキュレーションメディアが多数ヒットし、それを読むと「速水奏じゃん…」となる(知らなくてもなんとなく予想できるような意味づけばかりだが)。また、そういった仕草の意味合いを相手も知っていることを前提に、(もはや古臭い表現だが)「良いオンナ」として意図的にそういったポーズをとる人種も存在し、それもまた「速水奏じゃん……」となる。今回は大きく手を開き堂々としたポーズが描かれており、(衣装の露出は普通に高いが、)フェミニンな魅力にこだわりすぎない速水奏の新境地を見ることができる。

次に口について。一般論だが、人間は大きな笑顔を作ると顔の印象が大きく変わる。「破顔」「くしゃっと笑う」という語があるように、笑顔は顔の均整を崩すのだ。速水奏も笑顔によって雰囲気が大きく変わる…のかはわからないが、ミステリアスで大人っぽいキャラで売ってきた奏は、自己の偶像性を強めていくという自己研鑽を行ってきたアイドルであり、築いてきたイメージを崩さないために、満開の笑顔やそれに通じる大口の開いた表情とはどんどん縁がなくなっていったであろうことが予想される。しかし、[セレブレイト・カレイド]の奏はその先に進んだ。心境の変化については特訓コミュで話してくれているので、もし持ってない方がいれば、ぜひ選挙セットでガチャチケを補充して復刻に備えていただければと思う。

こういった変化・成長が速水奏5枚目のSSRの特徴。③,④の流れから、特訓後は日中でのライブシーンが描かれることを予想した人も多かったとは思うが、太陽の出ている間は『Go Just Go!』組に任せた。
これまで速水奏が月や海に言及する際には、その不定性よりも、「誰も邪魔できない場所」「暗く落ち着く場所」というネガティブな好意を示す形で触れてきた。そんな中で、花火-万華鏡-様々な表情など、瞬間瞬間の輝きを象徴する要素に多く言及し、「変わること・清濁併せ吞み美に昇華するズルさ」を肯定する様子からは、「優しい月明かり」への依存の脱却と、いわば満ち欠けにより日々違った光を放つ月そのものになった(なろうとした)とみることすら可能だろう。セレブレイトの語が祝っていたのは、デレステのアニバーサリーであると同時に、速水奏のkaleid(の獲得)でもあったということなのだ。

 

4 まとめ

ここまで見てきたように、2020年は速水奏のこれまでのSSRを振り返る機会が与えられた年だった。
人によっては[エンド・オブ・ザ・ブルー]が放置編成で現役だろうし、総選挙の結果発表で[夜を脱いで、一小節]の速水奏が出てきたのも記憶に新しいので、実質5種全てのSSRに触れる機会があったといえるだろう。次のSSRは素直にノワールをもらえるのか、どこかの月初限定で場合によってはモバSRのリメイクがなされるのか、はたまた恒常か…は不明なのだが、アイドルとしての成長のステップを踏んでくれることへの信頼は厚いし、奏の次のSSRが楽しみで仕方ない。